歯周病の細菌検査

歯周病の細菌検査とは?

歯周病の発症に関係する細菌はさまざまな種類があり、中でもポルフィロモナス・ジンジバリス(P.g菌)は毒性の強い歯周病菌の1つで歯周病原因菌の1番の親分になります。
そのため口腔細菌検出装置を用いてP.g菌のPCR検査を行い、感染状況(陽性、陰性)を数値化することで歯周病のリスク評価を行っております。
その数値を参考にし歯周病リスクを把握しリスク低下につなげていければと考えています。

PCR検査

歯間ブラシで採取した歯垢(プラーク)にてP.g菌のPCR検査を行うことで細菌検査を行っております。

歯周病の悪性度を知ろう

歯周病の研究が進むにつれ、歯周病菌には悪性度の弱いものと強いものとが存在し、その細菌割合の違いによって病状の進行具合も異なることがわかってきております。これらの菌を特定すれば、現在の歯周病の状態が把握できるだけでなく、この先の進行状況を予測することが可能となります。

ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.g菌)が全身に及ぼす影響

ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.g菌)は全身の病気との関連も指摘されております。

その1つがアテローム動脈硬化症です。アテローム性動脈硬化症とは、血管の内側に粥状(アテローム)の沈着物が付着し、血管を塞いでしまう病気です。P.g菌が歯茎の血管から全身の血管へ運ばれ、血管内に作用しアテローム性動脈硬化症を引き起こすことがわかっております。実際にアテローム性動脈硬化症の病変部を調査すると、その45%でP.g菌が検出されております。アテローム性動脈硬化症は、脳梗塞や心筋梗塞等の重篤な疾患の引き金となることから、P.g菌の感染はこれらの病気とも関連しております。

また、最近ではP.g菌はアルツハイマー型認知症との関連も指摘されています。2019年にはアルツハイマー病患者54例の脳のうち、96%にP.g菌が産生する酵素『ジンジパイン』が検出されたとの報告がありました。またこのジンジパインは脳の神経細胞を変性させること示唆されております。